アレルギーとたたかう理学療法士
及川文宏より
日本アレルギーリハビリテーション協会
アレルコア
福のしま研究会
YouTubeとnoteでは、アレルギー疾患に対する理学療法についてお伝えしています。
アトピー性皮膚炎の定義(概念)
「アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰返す、そう痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ。」
日本皮膚科学会編 「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」2009年より
アトピー素因:
1)家族歴・既往歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちのいずれ、あるいは複数の疾患)、または 2)IgE抗体を産生し易い素因。
【アトピー性皮膚炎の診断基準】
そう痒
特徴的皮疹と分布
(1)皮疹は湿疹病変
・急性病変:紅斑、浸潤性紅斑、丘疹、漿液性丘疹、鱗屑、痂皮
・慢性病変:浸潤性紅斑・苔癬化病変、痒疹、鱗屑、痂皮
(2)分布
・左右対側性 好発部位:前額、眼囲、口囲・口唇、耳介周囲、頸部、四肢関節部、体幹
・参考となる年齢による特徴
乳児期:頭、顔にはじまりしばしば体幹、四肢に下降。
幼小児期:頸部、四肢屈曲部の病変。
思春期・成人期:上半身(顔、頸、胸、背)に皮疹が強い傾向。
慢性・反復性経過(しばしば新旧の皮疹が混在する):乳児では2ヵ月以上、その他では6ヵ月以上を慢性とする。 上記1、2、および3の項目を満たすものを、症状の軽重を問わずアトピー性皮膚炎と診断する。そのほかは急性あるいは慢性の湿疹とし、年齢や経過を参考にして診断する。
【除外すべき診断】
(合併することもある)
・接触皮膚炎
・脂漏性皮膚炎
・単純性痒疹
・疥癬
・汗疹
・魚鱗癬
・皮脂欠乏性湿疹
・手湿疹(アトピー性皮膚炎以外の手湿疹を除外するため)
・皮膚リンパ腫
・乾癬
・免疫不全による疾患
・膠原病(SLE、皮膚筋炎)
・ネザートン症候群
【診断の参考項目】
・家族歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎。アトピー性皮膚炎)
・合併症(気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎)
・毛孔一致性丘疹による鳥肌様皮膚
・血清IgE値の上昇
【臨床型(幼小児期以降)】
・四肢屈側型
・四肢伸側型
・小児乾燥型
・頭・頸・上胸・背型、痒疹型
・全身型
これらが混在する症例も多い
【重要な合併症】
・眼症状(白内障、網膜剥離など):とくに顔面の重症例
・カポジー水痘様発疹症
・伝染性軟属腫
・伝染性膿痂疹
日本皮膚科学会編 「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」2009年より
詳しくは、日本皮膚科学会のHP、をご覧ください。
アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2018をご覧ください。
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