アレルギーとたたかうセラピスト
及川文宏より
日本アレルギーリハビリテーション協会
アレルコア
YouTubeとnoteでは、アレルギー疾患に対する理学療法についてお伝えしています。
【皮膚の周りに潜む4つの敵】
①食物
②ハウスダスト
③ダニ
④黄色ブドウ球菌
食物とハウスダストは、生活していたら、常に周りにあるものですね。
人の身体に害を与えるとは思えないかもしれませんね。
ただし、皮膚のトラブルを持っている人が、食物やハウスダストに触れると傷口から、その成分(タンパク質)が身体の中に取り込まれてしまう。
そのことで、アレルギー症状が出てしまいます。
ダニや黄色ブドウ球菌においても、肌荒れから進入しアレルギーを引き起こすという意味では同じです。
ちなみに
黄色ブドウ球菌は、人や動物の傷口(特に化膿しているもの)をはじめ、手指・鼻・のど・耳・皮ふなどに広く生息。健康な人の20〜30%が保菌していると言われています。
4つの敵と皮膚の関係を詳しく知りたい方は、以下のような文献でもそのことが分析されていますので、参考にしてください。
(難しい話は必要ないという方は、以下のーーー内の文章を読み飛ばしてください。)
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ダニなどの小さな生物やハウスダストに含まれるタンパク質が直接皮膚刺激(バリアを破壊)または免疫活性化を引き起こす(Deleuran et al。、1998)。
これにより、アレルゲンとそう痒の浸透が促進されます。
ハウスダストやダニに特異的なIgEのレベルは、皮膚バリア欠陥のある患者におけるアトピー性皮膚炎の重症度の臨床スコアリングシステム(OSCORAD)と有意に相関しました(Nemoto-Hasebe et al。 、2009)。これは、そのようなアレルゲンがアトピー性皮膚炎を誘発・悪化させる能力を示しています。
黄色ブドウ球菌は、鼻および会陰部の保菌を除いて、皮膚にコロニーを形成する通常の微生物叢のメンバーではありません。対照的に、アトピー性皮膚炎患者の皮膚では、湿疹病変に1 cm2あたり最大14×106の生物が存在する(Leyden et al。、1974)。黄色ブドウ球菌は、アトピー性皮膚炎の慢性と重症度に役割を果たす可能性があります(Leung et al。、1993)。それらの免疫学的効果に加えて、これらの毒素は皮膚バリアを直接損傷する可能性もあります。
詳しくは、以下の文献にてご確認ください。
アトピー性皮膚炎における表皮バリア機能障害
Epidermal barrier dysfunction in atopic dermatitis
Michael J. Cork, et al.Journal of Investigative Dermatology, 2009
https://www.jidonline.org/article/S0022-202X(15)34442-0/fulltext
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【皮膚の周りに潜む4つの敵】
①食物 ②ハウスダスト ③ダニ ④黄色ブドウ球菌
【アトピー性皮膚炎の悪化を防ぐ手段】
・4つを皮膚の傷口から引き離す
・傷口を塞ぐ(絆創膏や保護テープにて)
・皮膚の荒れや乾燥を保湿で守る
当たり前だけど、本当に大事です。
アレルギー症状を引き起こすものに触れる機会を可能な限り減らすこと。
また、
肌荒れや乾燥は、アレルゲンを皮膚から身体内に入りやすくしてしまうので、保湿などで皮膚のバリア機能を作ってあげることが大事になります。
これらを通して、アトピー性皮膚炎の悪化を最小限に止めることが、症状の回復にとってとても大切です。
最後まで読んでくださってありがとうございます🍀
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