アレルギーとたたかう理学療法士
及川文宏より
日本アレルギーリハビリテーション協会
アレルコア
福のしま研究会
YouTubeとnoteでは、アレルギー疾患に対する理学療法についてお伝えしています。
皮膚には、皮膚自体を守る機能が備わっています。
アトピー性皮膚炎を持つ方の皮膚は、それが上手に機能しなくなってしまっています。
その皮膚を守る機能を壊してしまう要因にはどのようなものがあるのでしょうか。
これを知っておくことは、アトピー性皮膚炎を改善させていくためにとっても大切なことです。
アトピーに悩んでいる人、その家族、その周りの人たちに知っておいてもらいたいです。
ここからの情報は、以下の文献を参考にさせていただいています。
詳しく知りたい方は、以下の文献をお読みください。
参考文献
「Epidermal Barrier Dysfunction in Atopic Dermatitis」
J Invest Dermatol. 2009 Aug;129(8):1892-908. doi: 10.1038/jid.2009.133. Epub 2009 Jun4
https://www.jidonline.org/article/S0022-202X(15)34442-0/fulltext
【皮膚バリア機能に影響を与える環境要因】
・身体を洗うボディソープ
・衣服を洗う洗剤
・ハウスダストやダニ
・食物アレルゲン
これらを含むいくつかの環境要因がアトピー性皮膚炎に関係しています。
イギリスの話ですが、身体を洗うために使用する水の平均使用量
1961年 11リットル(1人/日)
↓↓↓
1998年 51リットル(1人/日)
こんなに増えているそうです。
日本は、もっと増えていそうですよね。
このような状態で、ボディソープやシャンプーの使用量は減っているとは考えにくそうですよね。
確実に増えていますよね。
身体を洗う頻度やその石鹸が皮膚にどのような影響を与えるのか?
【石鹸と洗剤が表皮バリアに及ぼす影響】
ボディソープやシャンプーは、皮膚表面の脂質(外来および天然の両方)を乳化することにより作用し、その後、水で洗い流すことができます。
これらのほとんどには、界面活性剤が入っています。
界面活性剤は、諸刃の剣です。
洗浄力が強い反面
皮膚を損傷し、スケーリング、乾燥、圧迫感、粗さ、紅斑、腫れを引き起こす可能性があります。
これらの報告も報告もあります。
・石鹸と洗剤の使用は、手の刺激性接触皮膚炎の最も一般的な原因の1つであり、ADのフレアを引き起こす可能性がある(Meding and Swanbeck、1987)。
・石鹸と洗剤の急性刺激作用は、角質細胞からの炎症誘発性サイトカインの放出によって部分的に説明できる(Wood et al。、1996、1997)。
サイトカインとは、炎症を誘発する物質です。
これらのことから、
身体の洗い過ぎ
ボディソープやシャンプーの使い過ぎ
は本当に注意しなければなりません。
1日に2回入浴する(身体を洗う)などは、どう考えてもよくないですね。
【具体的な対策】
・入浴やシャワーは1日1回以下にする
・ボディソープやシャンプー → 固形石鹸にする(界面活性剤の少ないものにする)
衣服を洗う洗剤もそうですが、「泡立ちやすい」とか便利なものほど、身体にとってはあまり良くないものが多い気がしませんか?
固形石鹸って、使ってみると泡立ちにくくて大変ですよねぇ苦笑。
便利なものに飛びつく前に、ちょっと考えなければいけませんね。
最後までお読みいただきありがとうござました。
詳しく知りたい方は、以下の文献をお読みください。
参考文献
「Epidermal Barrier Dysfunction in Atopic Dermatitis」
J Invest Dermatol. 2009 Aug;129(8):1892-908. doi: 10.1038/jid.2009.133. Epub 2009 Jun4
https://www.jidonline.org/article/S0022-202X(15)34442-0/fulltext
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