皮膚から人を元気にしたい
理学療法士の高橋美穂です。
皆さんは皮膚自体が紫外線を防御していることをご存知ですか?
今回は・・・
①メラノサイトとメラニン色素
②ケアトヒアリン顆粒
についてお伝えします。
以前に表皮4層がいかに外部の刺激から
身体を守っているのかをお伝えしました。
http://ameblo.jp/hanaharumiho/entry-12212913784.html
皮膚の最表面の表皮は4層構造です。
表皮の最下部に位置するのが基底層です。
その基底層の一番下には基底膜という膜が存在しています。
この基底膜が真皮と接し、栄養と酸素を受け取っています。
①メラノサイトとメラニン色素
基底膜から栄養と酸素を受け取った基底細胞は分裂を始めます。
この細胞をケラチノサイト細胞と言います。
基底層にはそれ以外にもメラノサイトという
色素細胞も存在しています。
メラノサイトは皆さんもよくご存知の
メラニン色素を生成する細胞です。
基底細胞7〜8個に1個の割合で存在しています。
基底膜と基底層が、表皮の培養システムの基地となります。
この基底層と基底膜が紫外線等の影響で傷つくと、
基底層で正常の働き(細胞分裂)ができなくなります。
栄養と酸素の受け渡しができず、新陳代謝低下の原因になります。
そのためメラノサイトがメラニンという
黒い日傘をさして、
新しい細胞をつくる基底細胞の核(DNA)を守ろうとします。
この黒い日傘(メラニン)がいわゆるシミです。
シミの原因であるメラニンは肌の敵!
と思われがちですが、
基底細胞の核を守るとても大事なガードマンなのです。
②ケアトヒアリン顆粒
有棘層から顆粒層へ移動してきた細胞は、
水分や不必要となった細胞小器官を失い
少し潰れた扁平型に形を変えていきます。
また、同時に細胞内にフィラグリンの元となる
(前駆体)プロフィラグリンを主成分とした
ケアトヒアリン顆粒と呼ばれる顆粒を
つくることから顆粒細胞と呼ばれる細胞に変化します。
ケアトヒアリン顆粒はケアトヒアリンという
ガラス質状の小さな凹凸を持つ物質で、
表皮内に侵入した紫外線を屈折
させ皮膚を守る働きをしています。
私たちの表皮は、ただ単に基底層で誕生し、
角質層から垢等になって剥がれ落ちるだけではありません。
その過程の中で体内を守るための免疫を作り、
紫外線をなんとしてもブロックしようと努め、
2方向バリア(皮膚内部の水分保持、外部刺激からの保護)
をして私たちの健康を守る努力を日々行っています。
次回は紫外線を受けた皮膚の反応についてです。