どうも生理学オタクの理学療法士藤原翔です
今回は
ミネラルの内でも
カリウムについて触れていきます
ナトリウムは良く耳にするけれど
カリウムってなかなか馴染みが無いですよね?
カリウムは
果物や野菜、芋類、海藻に
多く含まれています
人体中ではほとんどが
細胞内部に存在しています
カリウムの役割は
①身体の水分量の調節(血圧の調節)
②神経・筋肉の調節
①の水分量に関しては
以前からも触れているように
腎臓で
ナトリウムとカリウムを
交換することによって
調整しています
今回はまず割愛しますね
人が動くためには
神経の働きが必要不可欠ですよね
人が電気信号で動いているのは
皆さんがご存知の通りです
カリウムは
この電気信号を発生させるために
必要なミネラルなのです
人はどうやって動くのか⁉
以前からちょこちょこ登場してはいましたが
詳しくは触れていなかった
活動電位について言及していきたいと思います
まずヒトの細胞は
静止膜電位といって
細胞がOFFの状態では
細胞内部は-60~-90mVに保たれています
これを分極している状態と言います
この静止膜電位は
何によって決められているのかと言うと
ナトリウム(Na)イオン
カリウム(K)イオン
塩化物(Cl)イオンの
細胞内外の濃度差に依存します
あ
事前知識として
ミネラルは体内ではイオンの形をとっています
イオン(電解質)とは
水に溶けると
電気を帯びて
電気を通す物質のことを指します
なので
プラスかマイナスの
どちらかの電気を帯びているということです
プラス・マイナスの性質から
Na⁺、K⁺、Cl⁻と表記されます
これらの イオンは
細胞膜の働きにより
基本的には自由に行き来できないようになっています
それぞれ必要な時に
細胞内外を行き来できるように
各チャネルが存在します
Na⁺チャネル・K⁺チャネル・Cl⁻チャネルなどなど
で
ここからが活動電位の説明です
活動電位は
①細胞への刺激
②脱分極
③活動電位のピーク
④再分極
⑤過分極
という一連の流れを辿ります
①
まず最初に
細胞に対して
光でも圧力でも
何らかの刺激が加わると
静止膜電位が
プラスの方向へ反応します
この電位が
-70~-50mVといった
一定の値を越えると
②
Na⁺チャネルが活性化して開き
細胞外から細胞内に
Na⁺が流入します
Na⁺は電気的に
プラスの性質を持っていますから
細胞はONの状態となります
この状態を
分極状態から脱するので
脱分極と言います
③
細胞にもよりますが
大体+35mVが活動電位のピークとなります
④
活動電位が+30mV程度になると
Na⁺チャネルは閉じて
今度はK⁺チャネルが開きます
K⁺は細胞内に多いですから
今度はプラスの電荷を持った
K⁺が細胞外に出ていくのです
そのため
細胞内は再びマイナスの方向へ変化していきます
再び分極状態に戻るので
再分極と言います
⑤
再び元の静止膜電位に戻るのですが
K⁺チャネルは
膜電位の変化にすぐには応答しないようで
十分再分極しても
少しの間細胞外へK⁺が流出します
なので
静止膜電位の値よりも下がってしまいます
これを過分極と呼びます
以上の流れが
隣同士の細胞に順々に伝わっていき
脳に情報が送られたり
脳から筋肉に情報が伝えられて
動くことができるという訳です
※神経の間では伝達という過程を経ます
ここで一つ疑問が生まれませんか?
入ってきたナトリウムや
出て行ってしまったカリウムはどうなるの?
細胞には
ナトリウム-カリウムポンプという機構があり
この機構によって濃度が保たれているのです
細胞から
3つのNa⁺を排出し
2つのK⁺が取り込まれるため
細胞内は
常に負の電荷でいられるのです
通常は
身体のカリウム量は
腎臓によって調節されているため
そこまで神経質になる必要はないです
ですが
腎臓や心臓に問題のある方は
摂取量に気を付けましょう
高カリウム血症は
重篤な不整脈を生じるため
注意が必要です
何事もバランスが大事ですね!
以上
カリウムと活動電位のお話でした
ではでは